悪霊only二次創作グログ

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やっと半分です・・・・・。おおぅ!!飽きっぽいはずなのにここまでくるとは・・・・・。
後半も全速力でがんばります。
「朽ち果てしアイリスの薗」続き。
では、どうぞ~。
私信
>澪月様
麻衣が見たもの、期待はずれもいいとこな気がする・・・・・(汗
期待を裏切って申し訳ないです・・・・。
それにしても迅速なコメント、ありがとうです。
投稿時間見てびっくりしました・・・・・・。
後半も全速力でがんばります。
「朽ち果てしアイリスの薗」続き。
では、どうぞ~。
私信
>澪月様
麻衣が見たもの、期待はずれもいいとこな気がする・・・・・(汗
期待を裏切って申し訳ないです・・・・。
それにしても迅速なコメント、ありがとうです。
投稿時間見てびっくりしました・・・・・・。
夢の世界に浮かび上がる小さな明かり。
あたしはそれに吸い寄せられるように近づいた。
そして、見た。
彼らの、あの日の真実を。
『放してくれっ!!』
『いけません。すぐさまお戻りください。お父様が待っていらっしゃるのです。』
『ジーン!!いやっ!!』
『身の程を知りなさい。この方はあなたのような下町の娘が気安く接していいような方ではない。』
『うるさいっ!!身分なんか関係ない!!僕は、フェリシアを・・・・・っ!!』
『お遊びはここまでです、坊ちゃま。』
『放せっ!!放してくれっ!!――――――――フェリシアっ!!』
『ジーンっ!!―――――ジーンっ!!!!』
舞台袖の小さな控え室。
あたしは目の前で繰り広げられる光景にあっけに取られていた。
黒いスーツの男たちが、ジーンの周りにいる。彼らは、ジーンを両側から挟み、部屋から連れ出そうとしている。
ジーンはもがき後ろを振り返りながらフェリシアの名前を叫び、フェリシアもまた連行されるジーンの名前を叫んでいる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これが、二人の別れる場面・・・・・。
状況と会話から察するに、ジーンは強制的に父親の元へ連れ戻され、フェリシアと離れ離れにされたのだ。
ジーンがいなくなったのではない。連れて行かれてしまったのだ。
・・・・・だからフェリシアの叫び声は、あんなにも悲しいんだ・・・・・。
すると、唐突に目の前の情景が消え、あたしはどこかへと強い力で引っ張られた。
「見れた?」
「ジーン!!」
気がつけば、あたしの目の麻衣にはジーンが囚われている琥珀色の結界が。
どうやら、ジーンがあたしを引っ張ったらしい。
「大分この結界にも慣れてきたし、少しずつ力もそがれてきてるからね。麻衣に力が届いてよかった。」
「そっか。」
安堵したあたしにジーンは再び問いかける。
「で、ちゃんと見れた?」
「あ、うん。二人が引き裂かれるとこだった。あれもフェリシアの記憶?」
「そう。あれが『ジーン』がいなくなった理由だよ。」
そういうとジーンはあたしが見れなかったところを補足説明してくれた。
「『ジーン』は身分の高い貴族の跡取り息子だったんだ。でも、彼は芝居に興味があった。彼は芝居を学んで役者になりたいと思っていたんだ。当然、周囲は反対する。だって彼は貴族の跡取り息子だから。将来は議会に顔を出し、国を担っていくことが義務づけられていたんだ。」
「うん・・・・・。」
「それでも、諦め切れなかった。彼は家を飛び出して、この劇場で住み込みで見習いになった。そこで、同じ見習いのフェリシアと恋に落ちたんだ。」
「でも、居所がばれて連れ戻されたってこと・・・・・?」
「そうだと思う。」
「そうなんだ・・・・・・。悲しいね・・・・・。」
俯いたあたしに、ジーンは続けた。
「連れ戻しにきた男たちは決してフェリシアの前で『ジーン』の名前を言わなかった。彼女が本名を知ったら家まで押しかけてくると思ったんだろうね。」
そうなんだ・・・・・と呟きかけて、あたしは目を見開いた。
「ちょ、ちょっと待ってジーン!!」
「ん?」
「ジーンは『ジーン・アトウッド』が偽名だって知ってたの!?」
ジーンが首を振る気配がした。申し訳なさそうに続ける。
「僕は今この結界に囚われていて、うまく力を発揮できないんだ。僕がこの結界に慣れてきて、この結界の力が弱まってきたから、僕はさっき麻衣に見せた情報を視ることができたんだよ。あれを視るまで僕も知らなかった。」
「・・・・・・・そうだよね・・・・・。ごめん。」
そうだった。失念していた。
いつでもあたしの中のジーンは完璧だったから。
「こっちこそごめん。ナルに責められなかった?」
「ううん。『ジーンが視た情報なら間違っている可能性は低い』って。」
「そっか。」
ジーンがうれしそうに笑う気配がした。
「まったく、素直じゃないんだから。」
「そうだよね。素直に僕を信頼してるって言えばいいのにね。」
くすくすとあたしたちは笑い合う。
そして再び本題に戻った。
「記録上ではフェリシアの演じた『ロミオとジュリエット』の最終日最終幕はちゃんと演じられてるって。」
「・・・・・・ごめん。そこまではまだ視えてないや。」
「そっか。」
まあ、ジーンだって今は100%力を発揮できるわけじゃないし。仕方がないよね。
「この劇場で演じられている『ロミオとジュリエット』は伝統的なものなんだ。代々同じ台本を使って演じられている。」
「じゃあ、今使っている台本もフェリシアが使っていたものかもしれないってこと?」
「わからない。けど、もしかしたらそうかもしれないし、古い台本ならどこかにしまってあるかもしれない。」
「そっか。」
「探してみて。もしかしたらわかるかもしれない。フェリシアにとっての『ロミオとジュリエット』の最終幕が。」
「うん。わかった。」
そろそろ限界だ。
あたしは目を閉じて、現実の世界へと意識を向けた。
「ナルに嫌味言われたら、ちゃんと言い返してやってね。」
「りょーかい!!」
おどけた風に返事したあたしにジーンが苦笑した気配を最後に、あたしの意識は夢の世界から消えた。
目をゆっくりと開く。
目の前に彼と同じ、けれど少し無愛想な、白い綺麗な顔があることを期待しながら。
目が覚める寸前、甘い花の香りがした。
朽ち果てしアイリスの薗 夢、再び
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
身分違いの恋なんて、『ロミオとジュリエット』みたいだわ。
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