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悪霊only二次創作グログ



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麻衣が事務所で働き始めたころのお話。
・・・・・最近、ナル麻衣未満が多くなってきた・・・。
そのうち甘々も書きます。

ナル:16歳 麻衣:15歳(高校一年生) 5月末
ナル←麻衣期間のお話。

入れたお茶を「まずい」と一蹴された麻衣は・・・?

ではどうぞ。


私信
>澪月さん
チャット、楽しかったです。童話パラレルが・・・(笑
明日もよろしくお願いしますね。
さて、懐かしい一巻のお話やリンさん誕生日小説、いかがでしたでしょうか?
「始まりの場所」は一巻を見ながらノソノソと書いておりました。
ナルの台詞がっ!!あんな美しい声にあんな甘い台詞を電話口で囁かれた麻衣が腰をぬかさない筈がないっと思い、書いてみました。
「バースデーティー」は、そのままのお話です。
リンさんに中国茶を入れてもらいたかっただけでした(笑
あ、しまった。御大がこっちを見てる!!じゃ、ちょっくら火星まで行ってきます(嘘

















「まずい。」





その一言が、あたしの癇に障ったのだ。

















「・・・・・う~ん・・・・。」


小さなアパート、そこがあたしの家。
今日はバイトもなく、あたしは学校帰りに本屋さんで買ってきた本と睨めっこしていた。
タイトル<紅茶のおいしい淹れ方>。

なぜあたしがこんな本を読んでいるか(しかも自腹で買ってまで)。
事の発端は、先週の週末に起こった―――。


















「麻衣、お茶。」


いつもどおり雑務をこなしていたあたしに、ナルがいつもの時間に声をかける。
返事をして、あたしは給湯室でお茶を入れる。


「・・・・えへへ・・・。」


あたしは紅茶の缶を取り出して、思わずにやけてしまう。
今日のお茶は特別。

だって、あたしが選んだ茶葉なのだ。

前日に買い置きの茶葉が切れて、今日、あたしが買ってきた。
あたし一人でなら絶対行かないような、高級紅茶専門店。
オードソックスだけど、フレーバーはダージリン。それぐらいしか知らないんだから仕方がない。

いつも以上に丁寧に。
いつも以上に気持ちを込めて。
・・・・・・・ナルへの、想いを込めて。

入れた紅茶を、所長室に持っていく。
机に置いたカップをナルのきれいな指が持ち上げる様に、あたしは見とれた。


「何だ?」


視線に気づいたのだろうか、なるが胡乱げな目で問いかける。
まさか本当のことを言えるはずもなく、あたしはあわてて別のことを口にした。


「お、おいしい?」


そしたら、ナルは言ったのだ。















「まずい。」と。

















せっかくいつもよりも丁寧に淹れたお茶をそんな言葉で一蹴されて。

あたしは、悔しかった。




こうなったら絶対ナルに「おいしい」って言わせてやる!
そんなこんなで、今に至るわけ。
机の上に本を広げ、かれこれ30分ほど。
事務所の棚からぱちってきた何種類かの紅茶の葉っぱを持って、あたしは立ち上がった。
簡易キッチンに立ち、沸騰させたお湯を急須に注ぐ。
この家にティーポットなんて高級なものがあるわけもない。


お湯を冷まして。


その茶葉にあった温度に調整して。


何度も、何度も、繰り返す。


本に書いてあった内容を頭に叩き込む。


茶葉の種類、それにあった温度、お湯の注ぎ方。


お腹がたぷたぷになるまで、何度も自分の入れたお茶を飲む。


どんな味なのか、舌が麻痺してしまうぐらい。






それでも、繰り返す。


・・・・・好きな人に、一言、言ってほしいがためだけに。






















「・・・・・・・ちゃんと淹れられた、よ、ね・・・・?」


いつも通りにナルにお茶を請求されて、あたしは淹れた。
頭に叩き込んだ通りに、あたしがおいしいと思った味を再現した、つもりだ。


「・・・・うしっ!!」


悩んでいても仕方がない。さっさと出して感想を聞かないと。
あたしは勢い込んで所長室のドアを開けた。


「・・・・・ナル、お茶。」

「ああ。」


指が机を叩く。「ここに置け」という合図だ。
あたしはゆっくりその場所にカップを置く。

ナルの指が伸びてきて、カップを持ち上げる。



一口、飲んだ。











少しだけ、ナルの顔色が変わった、気がした。










「ど、どう・・・?おいしい・・・?」


勇気を振り絞って尋ねてみる。
ナルはあたしを見て、言った。
















「この間のよりはマシだな。」
















あたしは後ろ手にドアを閉める。
あー腹が立つ。
もうちょっと優しい言葉でいえないのかあの男は!!


「・・・・・・次こそ『おいしい』って言わせてやる!!」


あたしのその声に、ドアの向こうでナルが小さく笑ったなんて、あたしは知らない。
















ナルのあの台詞が、「おいしい」とイコール関係だと気づくのは、



もう少し先のこと―――

















次もあなたのために、おいしい紅茶を。





たくさんの気持ちを込めて。






だから、いつか言ってほしい。














「おいしい」―――その一言のために、今日も紅茶を淹れる。

















茶、その一言
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「おいしい」と、あなたの声で、言ってください。

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ぐっどいぶにんv
博士の表現のしかたは分りづらいうえにこっちが恥ずかしくなるようなのばっかりですよね~(笑
麻衣ちゃんけなげで可愛いv
甘々小説楽しみにしてますねv

明日のチャットたのしみです~v
今日は敬語をわすれてタメ口なんぞきいてすみませんでした><
ではでは、今日はこれにてv
澪月 2008/01/13(Sun)21:02:36 Edit
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