始まりの場所

パソコン直ったぁーっ！！！（喜
これで更新できる！！
ぼーさんの誕生日に間に合ってよかったよ・・・。

ナル←麻衣期間のお話。
「悪霊がいっぱい！？」（コミック第一巻）直後。
ナル：16歳　麻衣：15歳（高校1年生）　4月

ではどうぞ～。

私信
＞澪月さん
ジョンの優しさは最高級ですからね。
ハンターナル！！
黒サングラスかけてついでについでに帽子でも被ってもらいましょうか！？
お、お腹いたい・・・っ！！（笑いすぎ
あ、博士に見つかった！！（逃

目の前にあるビルと自分の手のなかにある紙を何度か見比べる。


「うん・・・。間違ってない。」


よし、と掛け声一つ。
あたしはビルの中に足を踏み入れた。


















ナルたちが学校から去って、数日。
短い、けれどあたしにとってはとても長かった時間。
いてもたってもいられなくて、あたしは調べまくった。
挙句の果てには番号案内にまで聞いてしまう始末。
『校長なら知ってるでしょ』と恵子たちに言われたが、聞けなかった。


「後悔が先に立っちゃたんだよね・・・・。」


だってさ、あんなこと言って別れちゃったわけで。
いまさら会ったって、何話したらいいかわかんないし。
『何の用だ。』って切って捨てられそうだし。


「・・・絶対、そうだったよね・・・。」


短い間だったけど部下だったあたしには分かる。
でも、調べずにはいられなかったのだ。







夢だと、思えそうで、怖かった。





居場所が分かれば、声が聞ければ、





夢じゃないと。







「・・・・・現金だよね、あたし。」


学校に電話がかかってきて、夢じゃないと分かって。






『もしもし？』


『・・・麻衣か？』







本当に、安心した。







『・・・麻衣？』

『そ、そう！そうです！』

『どならなくても聞こえる。』







ナルの声に、震えた。

ナルの喋り方に、心が震えた。







『ど、どうしたの？電話なんか。』

『ギャラ。』

『―――は？』

『だから、助手をやってくれた給料。いらないなら別にいいが。』







「あれはあれで、ムカついたんだよねー。」


こっちはあんなに感動したのに、事務的な用事なんだもん。
あたしの感動をかえせってんだ。
・・・・・・・・言わなかったけど・・・・・。







『お金をいただけるとは思ってもみませんでした。くれるもんならいただきますとも！』

『口座番号はわかるか？』

『んなわけないっしょ。ここ学校だよ？』

『それじゃ、郵送するから住所を。』







冷静なナルの声にムカついて。
あたしはわざとぶっきらぼうに答えてた。







『――じゃ、一週間以内に送る。・・・・・・それと、お前の学校はバイト禁止か？』

『べーつにー。』

『――そうか。』







あたし一人で馬鹿みたいじゃないか。
だからそのあとのナルの発言も、もうすこしで聞き逃すところだったのだ。







『だったら、うちの事務所でバイトをしないか？』

『あ――はいは・・・・・・！？』

『事務なんだが、手がたりないんだ。この間までいた子がやめたんで。』







「・・・・爆弾発言だよねー、あれは。」


まさかナルがあんなこと言うなんて思わなくて。
頭で考えるよりも先に、返事をしていた。







『や、やる！やる！！やる！！』

『じゃあ一度こっちに来てくれ。所在地は・・・』







書くものを借りて、メモをした住所。
頭には一発で入るのに、紙には何度も書き間違えて、自分でもおかしくなった。







『都合のいい日でかまわないが。』

『えっえとっ、じゃあさって！土曜日！』

『わかった。時間は麻衣の都合にあわせる。』







今すぐに会いに行きたい衝動を必死でこらえた。







『・・・・・・ああ、それから』







「・・・・おもわず耳を疑ったよ、あの時は。」


天上天下唯我独尊のあのナルが。
傲岸不遜が服着て歩いているようなあのナルが。







『この間は助かった。ありがとう。』







――――ありがとう、だなんて。
ギネス記録に登録したいくらいだ。







『それじゃ、土曜日に。』







土曜日の約束。紙に書かれた住所。
思わず、事務室の前で、泣きそうだった。







『――うんっ、土曜日にまたね！』







今日が、その約束の土曜日。
うれしくてうれしくて、この３日ほとんど眠ってない。


「変な格好、してないよ、ね・・・？」


思わず確かめる。
・・・・・て。


「デートじゃないんだし、何してんだあたし・・・・。」


後ろを振り返って、階段を見下ろす。
前に向き直って、ドアを見る。




渋谷心霊調査事務所――SPR




ここが、今からあたしが働く場所。
――ナルのいる場所。


「うっし。行くぞ。」


ドアに手をかける。
ゆっくりと、ドアノブをまわす。
ドアを、開ける。
















「――こんにちはっ！！」

















ここから、あたしの非日常な日常が始まる。



















始まりの場所
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あなたのいる世界に、あたしは足を踏み入れた。