願い事、ひとつ

あけましておめでとうございます。
昨年はたくさんの訪問をありがとうございました。
おかげさまで10000hitを超えました。
今年も全力疾走でがんばりますので、よろしくお願いいたします。


元旦のナル麻衣＋イレギュラーズ。これまた絶対王道ネタ。
年賀状とはまた違ったお話になっております。
お手にお持ちの方はでひ見比べて楽しんでくださいね。
ナル：19歳　麻衣：18歳（高校3年生）　元旦


私信
＞花さま
気に入っていただけて本当にうれしいです。
ありがとうございます。
またキリバン踏まれたらぜひリクエストしてください。
お待ちしております。

＞澪月さん
あけましておめでとうございます。今年もよろしくです。
年賀状、ありがとうございました。
トキメキウハウハ富士山を駆け上がったりしてました（ウソです
ナルはキス魔なんです。だって英国紳士だから（は
乾燥しません。むしろ彼らは潤います。特にナルが（笑
メール、なんか問題があるんですかね？
復活したらお知らせください。またメールしますね。

＞暁さま
とてもハイスピードで連載は終わりました（笑
年始はとても忙しくなりそうです・・・・。
毎日更新は無理になるかも・・・（涙
このサイトの小説は基本ハッピーエンドですv
ではでは、またおいでくださいませ。

鐘を鳴らして。






新しい年に、願いを。























「あけましておめでとうございます。」

「所長、今年も不肖安原、がんばらせていただきます。」


年が明けてすぐ、あたしとナルは渋谷区道玄坂の渋谷サイキックリサーチの事務所に赴いた。
イレギュラーズのみんなと待ち合わせしているのだ。みんなで初詣にいく約束がある。
事務所にはすでにリンさんと安原さんが来ていた。


「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」


ペコリとあたしは二人に向かって頭を下げる。
二人は小さく笑ってあたしに頭を下げた。


「よろしくお願いします。」

「今年もおいしいお茶をお願いしますね。」

「はいっ！！おまかせください！！」


ナルは軽く会釈するとすぐに所長室に引っ込んだ。


「麻衣、お茶。」


と、あたしにお茶を催促することも忘れずに。



「もうすぐみんなも来るよね。リンさんと安原さんも飲みますか？」

「はい、お願いします。」

「いやー。新年早々谷山さんのお茶が飲めるなんて、僕は幸せ者ですねv」


あたしは給湯室に入り、大晦日に片付けた筈の薬缶を取り出した。
そしてみんなの分のカップも取り出して眺める。


「・・・・今年もよろしくね？」


食器たちに一つ一つ話しかけながら、いつもより長い時間をかけてお茶を入れた。














事務所に戻ると、すでに全員そろっていた。


「おー、麻衣。あけおめだぜー。」

「ほら、おせち持ってきたわよ。」

「麻衣、お茶はもちろん玉露ですわよね？」

「あ、あけましておめでとさんです・・・。」


ぼーさんとジョンはいつもの格好だが、綾子と真砂子は着物（いや、真砂子はいつもだけど、いつもよりも気合の入った着物だった）。
お茶を配り終わったあたしは所長室にお茶を持っていこうとしたが、後ろから綾子と真砂子に止められた。


「な、何よ？ナルにお茶もって行きたいんだけど・・・。」

「いいから、ちょっと来なさい。」

「リン、機材室借りるわよ。」


あたしの手を強引に引いて、綾子と真砂子は機材室に入っていく。
目を白黒させてあわてるあたしの目の前に、紙袋が突き出された。


「さ、着替えましょうか？」

「へ？」


あたしの抗議もなんのその。二人は無理やりあたしの服を脱がせにかかった。














「どうよ？」

「上出来でしょう？」


10分後無理やり着物を着せられたあたしはみんなの前にお披露目させられた。
桃色から藤色へのグラデーションが綺麗な生地に、桜の花が描かれている。
赤色の帯を締め、髪の毛には桜の髪飾り。
あたしはこんなに高価な着物を着たのは初めてで、ドギマギしてしまう。


「似合ってるぞ麻衣！！」

「かわいらしいです。」

「写真撮りましょう。イギリスに送れば、森さん大喜びですね。」

「・・・・カメラ取ってきます・・・。」

「麻衣、コレ。」


男性陣の感想の声に混じって発された真砂子の言葉と同時に、あたしの目の前にはお盆。
上には、ナルに持っていくはずだったお茶が。


「早く行きませんと、ブリザード発生ですわよ？」

「遅くなったのは誰のせいだ！！」


お茶は冷めてしまっている。淹れなおさなきゃいけない。


「せっかくのお正月ですし。おめかししたんですもの、ナルに見せたいでしょう？」

「・・・それは・・・。」


そりゃ、せっかく着せてもらったんだし。
自分で言うのもなんだけど、似合ってないわけじゃないと思う。
でも、新年早々ナルのブリザードの餌食にはなりたくない。
が、遅かった。
扉の開く音と同時に、ナルの不機嫌な声があたしの耳に飛び込んできた。


「うるさいぞ、麻衣。一体何を・・・。」


ナルの目があたしの姿を捉える。それきり何も喋らない。
・・・・・似合ってるとか、思ってくれてたり、する？
ナルの顔を見ると、無表情。
・・・・・こ、こわいんですけど。


「・・・・・馬子にも衣装、か？」

「しつれーなっ！！」


期待したあたしが馬鹿だったか。
噛み付いたあたしを無視して、ナルはイレギュラーズが全員そろっていることを確認して顔をしかめた。


「皆さん出かけないのですか？」

「行くわよー。」

「なら早く出かけてください。」

「何言ってるのさナルちゃん。お前さんも行くんだよ。」

「何で僕が・・・。」

「そりゃお前。」


ぼーさんが何かをナルの耳元で告げた。
ナルはちらりとあたしを見て、深くため息をついた。


「よし、行くわよ。」


綾子の声に、みんなが立ち上がる。
あたしはみんなが飲んだカップを給湯室に運んでから皆の後に続く。
ドアのところにはナルが立っていて、あたしが出るのを待っていた。


「早くしろ。鍵が閉められない。」

「はいはーい。」


あたしは綾子が貸してくれた白い毛皮を持ってドアを抜ける。




















「似合ってる。」















すれ違いざまに、ナルの声。
腰が砕けそうになったあたしを、ナルが後ろから支えた。


「何をやっている。」

「・・・・反則。」

「それはそれは失礼いたしました。」


ナルはあたしの手を握って歩き出した。


「えへへ・・・・。」


顔がにやけるのを止められない。
あたしはナルが頭をはたくまで笑い続けた。





「そういえばナル。」

「なんだ。」

「ぼーさんに何言われたの？」

「・・・・・別に。」


その無言の間に頭の回転の速いナルが何を考えていたのか、あたしには分からなかった。
が、聞いても答えてくれそうにないし、これ以上ナルの機嫌を悪くしたくない。
あたしは話題を変えた。


「ナルは初詣に何をお願いするの？」

「何も。」

「夢がない！！」

「麻衣は？」


あたしは少し考えて、笑った。


「・・・・教えないっ！！」

「麻衣。」


願い事は人に言ったらかなわなくなるんだよ？
そう言って笑ったあたしの額を、ナルの冷たい指がはじいた。















初詣で、鐘を鳴らしてお願いしよう。















今年も、ずっと一緒にいられますように。
















願い事、ひとつ
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「あんなに可愛い姿の麻衣が、ナンパに遭わないわけないだろ？」