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読んでもらえば分かると思いますが、この「朽ち果てしアイリスの薗」中に登場する「ロミオとジュリエット」はアニメ「ロミオ×ジュリエット」の設定を引用しています。
管理人はこのアニメが大好きです!!!(熱
だから題名もアイリスなんです(笑
コメントには書き込みにくいという方、メールフォームをセットしましたので、そちらからどうぞ。
年賀状もそこからお願いします。
では、「朽ち果てしアイリスの薗」続き。
気になる人は続きからどうぞ。
私信。
>澪月様
再びのコメントありがとうございますっ!!
嬉しすぎてパソコンの前で小躍りしていました(笑
調査モノは続々と更新していきますので、ぜひ読みに来てくださいね。
気がつけば、あたしは明るい劇場の舞台の袖にいた。
そっと覗いてみると、二人の男女が向かい合っている。
簡素な服に身を包み、台本を手に声を張り上げている。観客席には誰もいない。
どうやら、稽古中のようだ。
女のほうは、赤くて長い髪と琥珀色の瞳。
フェリシアだった。
・・・・・・・・・・・・・これは、いつもの夢だ。
『ロミオ、どうしてあなたはロミオなのっ!?』
『ジュリエット、君のためなら、僕はモンタギューの名を捨てよう。』
これ、ロミオとジュリエット?
有名なシェイクスピアの劇だ。あたしも一度中学校の文化祭で演じたことがある。脇役だったけれど。
ジュリエットを演じているのはフェリシア。ロミオを演じている人は見たことがない。
黒に少し茶色がかかった柔らかそうな髪の、緑色の目をした青年。
なかなかの美形だった。
・・・・・・・・・優しそうな雰囲気が、少し、ジーンに似ている・・・・・。
やがて、稽古が終わったのか、二人は息をついた。
『・・・・・・・わたし、このお話、実はあんまり好きじゃないの。』
『どうして?いい話だと思うけれど。』
『だって、最後が悲しすぎるわ。強く想いあっていたのに・・・・・、結ばれないなんて・・・・。』
その意見には大いに賛成だ。
あたしも、最後は二人に幸せになって欲しかった。
でも、この悲愛こそが人々の目を惹きつけているのだということも理解していた。
『身分違いの恋なんだ。仕方ないよ。』
『でも・・・・。』
『大丈夫。僕たちは絶対そうならないよ。』
断言した青年が、フェリシアを抱きしめた。
フェリシアはそれを拒まず、ゆっくりと青年の背中に腕を回した。
『ジーン・・・・・。』
愛おしそうにつぶやいたフェリシアの言葉は、麻衣の耳にも届いた。
・・・・・・・・あの人が、ジーン、なんだ。
そう思ったとき、世界が変わった。
いつもの、世界。
ジーンといつも会う、世界。
「・・・・・・・・ジーン・・・・・・?」
あたしはつぶやいてみる。もしかしたら届くかもしれない。
だって、いつも呼んだら来てくれるから。
だが、気配はない。あたしはため息をついた。
そのとき、背後にかすかな気配。ジーンのではないけれど、何か別の気配がする。
あたしは吸い寄せられるようにその気配に向かっていった。
見つけたのは、丸い透明な琥珀色の大きな球。何かの結界みたいだ。
あたしはそっと手を伸ばした。そっと触れる。
あたたかかった。
すると、球の内側から手が伸びてきた。結界越しに、手が合わさる。
「・・・・・・・麻衣・・・・・・。」
「――――っ!!!ジーン!?」
ジーンの声だ。あたしは球に身を寄せた。
ずっと、心配していたのだ。
球の中に、薄っすらとジーンの姿が見えた。
「ジーン、そこにいるの?大丈夫?」
すると、ジーンが苦笑した気配がした。
「大丈夫。ただ結界の中に閉じ込められているだけだから。出られないんだけど。」
「それって、大丈夫って言わないよ。」
「あははは。」
・・・・・・うん。ジーンだ。
やっと見つけた。
あたしたちはお互いに近状報告をした。
ジーンは、ここに捕らえられて動けないらしいから、外の様子が分からない。
あたしは、ジーンを心配してナル達とイギリスに来たことや今まで分かっている情報を話した。
「麻衣。ここにいるってことは、何か視たんだよね?」
「うん。二人が劇の練習してるところ。ロミオとジュリエットだった。」
「男の人の名前も分かってるよね。」
「フェリシアは『ジーン』って呼んでた。」
「うん、そう。僕はフェリシアの記憶の一部しかまだ視れてないけど、男の人の名前はジーン・アトウッド。フェリシアと恋人だったらしい。」
やっぱり。さっき抱き合っているところを見ていたからなんとなくそうだと思ってたけど。
あたしは頷いて続きを促した。
「2人はこの劇場で『ロミオとジュリエット』の主役を演じていた。でも、最終公演の日、最終幕を残して『ジーン』がいなくなったんだ。」
「どうして?」
「それはわからない。フェリシアは僕をその『ジーン』だと思ってる。でも、その恋人の『ジーン』が覚えているはずのことを僕が覚えてないから、怒って僕を閉じ込めているんだ。」
「そんな・・・・っ!!」
そんなの当たり前だ。ジーンは『ジーン』じゃないんだから。
「ナルに伝えてくれる?」
「うん。」
「ジーン・アトウッドを探して。フェリシアはずっと彼を探している。彼女と同じ時期に共に『ロミオとジュリエット』を演じているはずだから。彼女が本当の『ジーン』を見つけたら、この結界も解けるはずだから。」
「分かった。」
あたしは頷いた。目の前がぼやけてきている。目が覚める前兆だ。
あたしは必死にジーンに呼びかけた。
「絶対助けるからっ!!待っててっ!!」
「うん。よろしくね。」
ジーンのその声を聞いて、あたしはゆっくりと目を覚ます気配に身を任せた。
目を覚ましたあたしは、まっすぐベースに向かった。
視た夢だけでは、全部分かったわけじゃないけど、あたしは早くジーンを助けたかった。
ジーン
絶対助けるからね。
朽ち果てしアイリスの薗 ロミオとジュリエット
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本当に、実らぬ恋、なのですか?

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