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いや、いっぱい来てくださってありがとうございます!!
作品数の少なさが申し訳ない・・・・・(平伏
「朽ち果てしアイリスの薗」つづきです。
では、どうぞ。
私信
>暁様
いらっしゃいませはじめまして。コメントありがとうございます。
アツイ想い、しかと受け取りました(笑
これからも頑張って更新していきますので、ぜひまたいらしてくださいね。
>澪月様
毎度毎度うれしいコメントありがとうございます。
続き・・・・・どうなるんでしょう・・・・?(オイ
ナル麻衣パワーで頑張りますので続きも読んでやってください。
電話が鳴る。安原さんからだった。
その電話は、あたしたちにとんでもない真実を与えた。
「偽名?」
「そうだ。『ジーン・アトウッド』は偽名らしい。どれだけ調査してもヒットしなかったそうだ。偽名と考えるほうが妥当だ。」
・・・・・・・・・・・・・・そんな・・・・・・。
これで男に関しては振りだしに戻ってしまった。
残る手がかりはフェリシアしかない。
沈んだあたしたちをよそに、ナルは昨夜のカメラの映像を見始めた。
が、しばらくして、あたしたちを呼び寄せた。
「リン、昨夜の湖のの映像を出してくれ。」
「はい。」
なんだろうと思って覗いてみると、裏庭の湖が映っていた。
「ナル?」
「静かに。」
しかたなく画面に目を凝らす。
すると、湖にフェリシアが現れた。
「よく見ていろ。」
フェリシアは湖の淵に立ち、叫び始めた。
『ロミオ・・・・。誓いを覚えている・・・?』
『生きるときも・・・・・・』
『永遠に・・・・・』
『ええ。行きましょう・・・・・。』
・・・・・・・・・・なに、これ。
映像はそこで終わった。あたしは傍らのナルを見上げる。
「『ロミオ』と言うからには『ロミオとジュリエット』の一部なのだろう。だが、この台本を読む限り、そんな台詞は出てこなかった。」
ナルは先ほど借りてきた台本をめくる。
あたしもこんな台詞は知らない。『ロミオろジュリエット』は死んだロミオの後を追ってジュリエットが死ぬお話だったはず。
ジョンが補足した。
「『ロミオとジュリエット』はいろいろな国でいろいろな解釈がなされてますけど、『誓い』はたしかロミオとジュリエットが共に逃げることを約束する場面にしかなかったと思います。」
「ああ、俺もだ。」
「あたしもよ。映画とかで何度か見たけど、そんな台詞が出てきそうな場面は知らないわ。」
じゃあ、フェリシアのあの台詞は何なのだろう。
みんなで考え込んでしまったとき、ベースのドアが開いた。
「ただいま戻りましたー。」
「ただいまー。」
安原さんとまどかさんだ。あたしは思考を中断出て駆け寄った。
「おかえりなさい。お茶飲みますか?」
「あ、お願いします。」
「はーい。みんなも飲む?」
全員が飲むと応えたので、あたしはお茶を入れに行った。
ナルとリンさんには聞かなかったけど、きっと飲むはずだ。
調査が行き詰ってイライラしているだろうから、ナルの紅茶はあまり渋くならないように気をつけた。
ベースに戻り、全員にお茶を配ったところで、安原さんが報告を始めた。
「で、フェリシアが死んだ1897年前後一年間、この劇場に出入りした人を調べてみました。役者はもちろん、顧客リストまで全部調べたんですが、結局『ジーン・アトウッド』という名の人は発見できませんでした。」
でも、フェリシアの中に確かにその人は存在していた。
やはり偽名の線が強そうだ。
「それに、フェリシアと共に『ロミオとジュリエット』を演じた人を調べてみたんですが、男性の方では63人いるんです。フェリシアは随分長いことジュリエットを演じてきたみたいですね。劇中には何人も男役は出てきますし、もしかしたら裏方だったのかもしれませんし、この中から偽名を探し当てるというのは結構難しいと思いますよ。」
「そうですか。」
やはりフェリシアの方から攻めていくしかないのだろう。
が安原さんはさらにあたしたちに衝撃を与える情報を提示した。
「で、もう1つ。フェリシアが死ぬ直前の『ロミオとジュリエット』ですが、谷山さんの夢では、最終日の最終幕直前でジーン・アトウッドがいなくなったんですよね?」
「そうジーンが言ってたけど?」
「でもですね。記録ではどの役者も最後まで演じている上、きちんと最終幕まで演じられているんですよ。」
・・・・・・・・・・・・・・・はい?
それってつまり、あたしの夢の情報が間違っていたってコト?
「で、その最終公演の感想コラムなんかを見つけたんですが、いつにも増してすばらしかったと書いてありました。」
細かいことはこの資料で、とナルは渡された資料に目を落とす。
「麻衣の情報が間違っているってことなんか?」
あぁぁああぁああっ!!ぼーさんの馬鹿!!
聞きたくても聞けないことをさらりとっ。
が、ナルはあっさりと否定した。
「麻衣だけならともかく、ジーンがそう言うんだから、間違っている可能性は低いな。フェリシアの記憶違いか、それとも別の記憶と融合しているのか、どちらかだろう。」
・・・・・・・・・・・・それってつまり、あたしは信用してないけどジーンは信用してるってことだよね?
・・・・・・・・・・・・どうせ味噌っかすですよーっだ。
「もう一度調べてみよう。松崎さんとぼーさん、原さんとジョンのペアで劇場内を見て回ってください。安原さんとまどかはもう一度フェリシアについて調べてください。」
「あたしは?」
何も言い渡されなかったあたしはナルに尋ねた。
「資料の整理でもしていろ。」
「じゃあ、もう一度トライしてもいい?」
あたしは早くジーンを助けたい。
それに・・・・・・・・
フェリシアも解放してあげたい。
フェリシアの悲しそうな叫び声が胸を突いて離れない。
ナルは少し渋ってから、あたしの顔を見た。
無言の攻防戦。
やがてナルはため息をついて、許可を出した。
「わかった。情報収集ついでに、馬鹿に会ったらもう少し正確な情報を教えろと言っておけ。」
「・・・・・・・了解。」
今回、フェリシアは人を攻撃しないし危険性も少ないから、とあたしの傍についていると言い張るみんなを部屋から押し出して、あたしはベースのソファに座ってゆっくりと呼吸する。
ジーンに教えてもらったやり方だ。
まだあたしは未熟で、この方法でも成功確立は低い。
それでも、もう一度ジーンに会えることを祈って、あたしはゆっくりと導入の流れに身を任せた。
あたしはゆっくりと目を開けた。
色が反転した世界。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・成功、かな?
成功したならちゃんと情報収集をしないと、あとでナルにどやされる。
あたしは気合を入れて、夢の世界を歩き出した。
そして、見た。
朽ち果てしアイリスの薗 偽りの名前
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あなたの存在だけが、私の真実。

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